
先輩は国文学専攻でそもそも詩歌については専門分野だったが
僕は主に西洋美術が研究テーマで、文学は門外漢だった。
そういう意味では先輩が僕のその後の人生に与えた影響は大きい。
先輩が女性でなく男性だったとしても、
あるいは後輩だったとしても僕は強い影響を受けただろう。
僕は議論や討論が好きではない。
それを強制されるのも、聞いているのも苦痛だ。
僕に必要だったのはまず議論や討論をしたい相手であり、
何を言ったかではなく誰が言ったかだけが重要だった。
先輩に話を聞いてもらえるような人間になりたかった。
そんな偏った考え方で極度に狭い人間関係しか築けなくても
生きてはいける。
さほど問題なく。ね。