
高校時代にはラブレターなどもらったことはない。
が、手紙は割と交換した。
たいていは聞きたくない本音が書いてあった。
それは自業自得で仕方あるまい。
ただ手紙を渡そうという雰囲気は掃除などしていても気がつくもので、
こんな風に教室の隅っこで粛々と譲渡の儀は行われる。
例え何が書かれているとしても
(そしてその予想はいつもついていた)
僕はほのかに嬉しかったし、ドキドキもした。
—-
余談だが、当時の僕とマキタの体格を正確に描いてみると、
マキタは小さくて僕の肩くらいしかなく、
僕は背が高いというより頭が大きかっただけだとわかる。
治さねばならないことが多すぎて、
自分の見た目にまで関心がいかなかったのは
幸せなことなのか、どうか。