
これはよく覚えているから折に触れて描くのだけれど、
本当のことを言えば、
「マキタがいつも廊下で聴いてるよ」と教えてくれた演劇部員がいるのだ。
気配はドアの窓に人影が映るので気づくのだけれど、
もしかしたらマキタではなかったかもしれないね。

これはよく覚えているから折に触れて描くのだけれど、
本当のことを言えば、
「マキタがいつも廊下で聴いてるよ」と教えてくれた演劇部員がいるのだ。
気配はドアの窓に人影が映るので気づくのだけれど、
もしかしたらマキタではなかったかもしれないね。
心が揺れたら 押してください
放課後、音楽室でベートーヴェンを弾くが、いつも廊下を気にしていた。その音を聴いていた彼女から一度も感想を聞くことはなかった。後日、友人が「練習抜けて聴いてたぜ、お前のピアノ」と告げ、驚きと喜びが入り混じる感情を抱く。進学校だが勉強ばかりしている奴はザコだと本気で思っていた中、彼女の存在が特別なものだったことに気づく。