「月光。」

高校の部活と月光は結びつきづらいイメージかもしれない。

僕は天文部の夜間観測に首をつっこんでいたのと、
市や私設の劇団から依頼のあった看板の制作などで
意外と夜、高校にいることがあった。

服装や頭髪の校則はむやみに厳しい高校ではあったが、
一部の成績優秀者や優等生(表面的にはね)には大変甘いという空気があり、
僕はそこら辺をうまく利用して好きなように部活動を行っていた。

もちろん女子ばかりの部ではあったし、
田舎道はまっくらだしで、
電車通学の者や家が遠いものは早々に帰し、
僕が送っていける距離の者だけで夜活動をした。

楽しくおしゃべりしてたわけでもない。
僕自身はあまり好かれてはいなかったし、
話しかけづらい人間だったから。

その時、セキグチは何か言いたそうにしていた。
何か言いたそうなセキグチは結局何も言わないことを僕は知っていた。

カーテンの向こうにぽつんと月光があった。
顔を見て話すのが苦手な僕は、その小さな月光を見ながら
そろそろ引き上げよう、と言った。

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【翻訳用】AIによるこのマンガ・イラストの説明

短髪の若い女性が描かれている。彼女は険しい表情でこちらを見つめており、白いシャツとスカートを身に着けている。背景は暗めで、色のにじみが印象的なアートスタイルで描かれている。全体に落ち着いた色調が用いられており、静かな夜の雰囲気を感じさせる。

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