「タバコ。」

先輩と僕 in 1996」で描いたように、
僕がタバコを吸うようになったきっかけは明確に先輩だ。

高校の頃に好奇心で吸う真似事をしたことはあるが、
火のつけ方も吸い方も一人ではわからなかったので
あれは吸ったとは言えないだろう。

成人するまで喘息持ちだった僕はむしろ強力な嫌煙派だった。
なぜかヘビースモーカーになってから喘息の発作は起きなくなった。

先輩は全然ヘビースモーカーではない。
多分、周りが吸っているから、あるいは先輩の好きな先輩が吸ってたから、
そんな理由で格好をつけているだけだった気もする。
やがて飽きたのか、自分はさっさとやめた。

僕はそんなことには思い至らず、先輩のやることなすことを全て真似し、
それが僕の好意の証であると信じて全く疑わなかった。

いかにも気持ちが悪い。が、
それを気持ち悪いと思う人もいればそうでない人もいる。

そんな先輩を僕の下宿で撮ったスナップ写真が何枚か残っている。
写真はひどく不得手で、全部ボケている。
加工していない。暗い部屋だった。僕も暗い青年だった。

タバコとそのうなじが真っ白に光っている。
僕はみとれている。

写真などなくても、その景色は今も覚えている。

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【翻訳用】AIによるこのマンガ・イラストの説明

若者が夜の野外で静かに煙草を吸っている。彼は淡い月明かりの下、閉じた目で何かを思い出すような表情だ。背景には広がる草地が見え、静寂に包まれている様子が伝わる。その姿には孤独感とともにどこかのどかな解放感が漂い、彼は現実から少し離れた場所で自分自身の内面を見つめているように見える。

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