


思春期までで摂取したもので
嗜好はほぼ決まる。
僕はたまたま子供向けのものよりも、
暗く澱んだ雰囲気が好きだっただけだ。
とは言え、当然それだと周りと話が合わない。
合わないどころか大体は村八分だ。
中二病にかからなかったのは、
多分がんばって「自分は他の人間とは違う」と誇示しなくても
最初っから浮いていたからだと思う。
理解されたいという強い思いもなく、
そうした我関せずの態度はきっと周りのクラスメイトからは
高慢で鬱陶しい嫌なやつに見えていただろう。
同じような嗜好を持つ人間には、
大学へ行くまで出会えなかった。
(大学へ行ったらごろごろいた)。
そういう意味では大学は楽しいというより楽だった。
説明しなくてもわかるのは楽でいい。