「あの気持ちには名前がない。」

主人公は学校の休み時間に茶室で読書をすることが多かった。廊下の書庫から本を一冊選び、同級生とは話が合わないため、一人で過ごすことが普通だった。高校卒業までその状態は続いた。大学で初めて、話を合わせる必要がなく、自然体でいられる人と出会う。この感覚は恋愛とは違い、まるで主人を見つけた犬のような気持ちだった。