「枝くんの芸術。」

枝くんは同じ芸術学専攻の同期である。
僕は1浪、彼は2浪だったが、
のちに4浪であることが発覚した。
発覚したところでどうということもなかった。

彼とは相当長い時間を一緒に過ごしたが、
芸術や美術に関心を見せたことが一度もない。
彼が感情を見せたのは、共に留年した5年生の時、
大三元字一色のダブル役満を上がった瞬間のみである。

ずっと美術部に在籍していたが、一枚も絵は描かなかった。
氷河期の就職活動中、実家近くの火山が噴火、大学を辞めて北海道へ帰郷した。
その後、彼に会いにいった後輩が、
「枝さんは聖書を売る人になっていました」
という情報を与えたきり、行方は杳としてしれない。

あれからとうに20年が経つ。
生死も不明であるが、仲間内で集まると必ず彼の話になる。
そのたびみんなで「あいつ探そうぜ」と盛り上がるが、
誰も探さない。

僕の数少ない同性の友人である。

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【翻訳用】AIによるこのマンガ・イラストの説明

枝くんは文化祭での絵詩集に寄稿するように頼まれる。彼はすぐに作品を完成させ、同級生から称賛される。だが、その絵は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」に酷似していることに気づく。友達は「パクリだ」と指摘するが、枝くんは「エネマグラ」と反論する。またこの作品を見て、賢治好きを自称する友人は枝くんを思い出し、微妙な気分になる。絵は心の風物だと締めくくられる。

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